ベタなエマに夢中

 今週から入稿前の校正作業に入り、神保町の編集プロダクションへ通っています。とはいえ、朝早くから行くわけではないので、楽といえば楽。昨日は版元から、今週末の入稿を来週にしたといわれてガクッとしたのだが、まぁいいかと、森薫「エマ」7巻を読む。
 もう大人気の漫画なので今さら俺が何もいうことはないのですが、いやぁー、面白いですね。もう、ベタベタの展開がたまらなく気持ちいいです。孤児である薄幸の主人公エマ。そんなエマに一目惚れした成り上がり商人の息子ウィリアム。19世紀末の英国を舞台にした、上流階級の跡継ぎと下層階級のメイドとの結婚という、当時でいえば道ならぬ恋。もー、これだけでベタな設定なんですが、全編、お約束ともいえるお決まりの仕掛けがこれでもかこれでもかと繰り出されてくるんですよ。
 もちろん、メイドで眼鏡っ子というオタク受けするキャラクター設定はなされていますが、この漫画が売れたのは、やはり王道を行くストーリー。現代を舞台にした恋愛漫画ならこうはいきませんが、19世紀末英国なら下手な細工なしの定型が一番。あらためて「定型」の強さを思い知らされました。恥ずかしながら、年甲斐もなく4、5回は読み直しました。
 と、オタクで思いだしたのだが、今日、神保町で絵に描いたようなオタクの人と遭遇した。今日は都心は暑かったのだが、彼は、赤のタンクトップに黒いデイパックを背負い、手には紙袋。ズボンはと見れば、洗いざらしで縮んだつんつるてんのチノパン。体型はもちろん小太り。見事! と思ったのは髪型で、真っ黒な長髪なんだけど、前髪は自分で切ったのか、ワカメちゃんカット。黒い太めのセルフレームの眼鏡がなんともいえない個性を演出しているのでした。図鑑のなかから飛び出してきたのかと思いましたですよ。彼も「エマ」を読んでいるのかなぁ。


エマ (7) (Beam comix)


 ところで最近、縁あってmixiに入ったのですが、そちらの方では写真を中心にした備忘録をはじめました。もしmixi会員の方がいらっしゃれば、そちらもご覧ください。名前の検索で「小川町」と入れてくだされば見つかるでしょう。mixiでは、小川町○○○○○と欧風(?)な名前にしています。マイミク追加は大歓迎です。

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