ハヤシライス3500円

 取材で丸の内。事前打ち合わせということで、某ホテルのレストランで版元編集者から昼食をごちそうになったのだが、一番安いランチメニューでもカレーライス、ハヤシライスが3,500円! 結局、俺はハヤシにしたのだが、量もちょっぴりで非常にがっかり。そんなこと言えた義理ではないのだが。。取材は重要文化財にもなっている明治生命館内にある某社で、みっちり2時間。取材内容云々よりも、この建造物に入れたことが嬉しかったりして。夜、山田風太郎「忍者黒白草子」(角川文庫)読了。山風作品ならいつもは一気に読み終えるはずが、これが山風?というぐらい、テンポが悪く、Cランク以下に分類されるかもしれない作品。天保の改革で悪法を強いた鳥居耀蔵の手先となった忍者・箒天四郎の行状を追いながら、ライバル忍者の塵ノ辻空也との対決などを描いているのだが、派手な忍術合戦があるわけではなく、正義と悪のせめぎ合いといったものもグレーゾーンにあるかのようにはっきりしない。最後まで曖昧模糊とした印象で進み、カタルシスを得られないまま終わってしまう。はじめ「天保忍法帖」として実業之日本社から1969年に発行され、角川から文庫化されたのが1981年。それ以来、どこからも復刊されていないということは、作者自身もそうだが、そういう評価なんだろう。評価されるのは、ヤフオクでの値段だけか。