大阪ノワール

 昨日の高尾山歩きのせいで、ふくらはぎが凝る。年とはいえ、あんな低い山で筋肉痛とは情けない。今日は午後から雨。ゴールデンウィーク最後の日はおとなしく家で仕事。三時に終わり、宅急便を出しにいったあとは黒川博行「左手首」(新潮社)を読む。帯には「関西裏社会に炸裂する7つのノワール」とあるけれど、裏社会というより、これは社会の階層から落ちこぼれた人間のどうしようもない生を描いた、きわめて実像に近い物語。短編の肌触りは結城昌治に近いものがあるが、結城作品のような落ちのあるものは少なく、徹頭徹尾、社会の底辺を這い回る人間を描写する。犯罪小説なのでこのスタイルは当然。あっというまに7編を読み終える。しかし、俺はどうして大阪というか、関西圏の小説家が好きなのだろうか。織田作之助花登筺小松左京筒井康隆町田康。今日読んだ黒川博行に、この間読んだ田辺聖子。神戸には稲垣足穂、岡山には内田百間山田風太郎。思いつくままに並べてもこれだけの小説家がいる。(司馬遼太郎はそれほど読んでいないので、この中には含まれません)

今日の売上
ハイスミス他ミステリ文庫10冊 500円
LOMOHOLGA写真集「日常生活」(日本カメラ社) 930円
沙村広明無限の住人」(1〜19巻・アフタヌーンKC) 2,100円
ひぐちアサおおきく振りかぶって」(1〜6巻・アフタヌーンKC) 2,200円
おおきく振りかぶって(6) (アフタヌーンKC)