テレポーテーション

 昨日、今日と神保町へ校正を届けに出かける。車中の読書(つーか、漫画)は伊藤理佐「やっちまったよ一戸建て!!」(第2巻・文春文庫PLUS)。しかし、仕事が途中なので、用事が済むとすぐに帰宅。内田百間「有頂天」(旺文社文庫)、小林信彦「オヨヨ城の秘密」(角川文庫)のみ買う。帰ってからすぐに仕事にとりかかろうとするけれど、この2日間はてんぱっていたからか、気疲れで眠ってしまう。こりゃ使いものにならんわいと開き直り、久しぶりに筒井康隆の短編集をひっぱりだし、ぱらぱらと読む。マスターベーションでオルガスムスを得る際、行きたい場所を念ずるとテレポーテーションができる超能力、題して「オナポート」いう能力が引き起こす混乱を描いた「郵性省」。あぁ、懐かしいなぁ。初めて読んだときはおかしかった(今、読んでもおもしろいけど)。ユニークなテレポーテーション能力では、吾妻ひでおの、どーでもいんなーすぺーす中の一編「いもむし以上」(もちろん、スタージョンの「人間以上」ですが)の、登場人物たちのせこい能力がおかしい。テレポーテーションの能力者・島苦(もちろん、シマック)は、1回に10センチしか跳べないし。そーいえば、メチルメタフィジーク中の一編「アラララ山のむこうに恐山」は、この間紹介した、ゼナ・ヘンダースンの「果てしなき旅路」が下敷きになっている。オールドファンにはどれも常識ですが。いずれも、「ネオ・アズマニア1 メチルメタフィジーク」(ハヤカワ文庫)に収録。


やっちまったよ一戸建て!! (2) (文春文庫PLUS)