ナルミさん

 今日いっぱい頑張れば現在の仕事は終了。昨日、気力が萎えそうな版元氏の発言を伝え聞いたのだが、とりあえず手を離れるのはうれしい。が、この版元氏の発言をもう少し前に聞いていれば、次の仕事に影響することはなかったのに(泣)。来月も心が折れそう……。こんな状態で、バンプ・オブ・チキン「花の名」が流れてくるとなぜか泣けてくる。中年は涙もろいですからね。この曲が主題歌になっている「続・三丁目の夕日」の予告編を見ても泣けてくるし、それを見ていると正編での小雪が存在しない指輪をいとおしそうに手にかざすシーンが思い出されて、また泣けてくるといった次第。たまたま読んでいた山川直人「ナルミさん愛してる その他の短編」(ビームコミックス)にも映画のワンシーンがあって、それがフェリーニの「道」。当然、ジェルソミーナやザンパノを思い出し、また涙してしまうという。「ナルミさん〜」は一人暮らしの女性をぬいぐるみの視点から描く、凝った設定の作品。同じ女性の一人暮らし漫画でも高野文子るきさん」がドライな作風とすれば、こちらはどこまでもウェット。しかし、この大人の童話は悪くない。山川直人氏のあとがきが、これまた泣けるんです。


ナルミさん愛してる―その他の短篇 (BEAM COMIX)