テキサス・ナイトランナーズ

 眠れなくなり、ジョー・R・ランズデール「テキサス・ナイトランナーズ」(文春文庫)を明け方までかかって読み終える。青春小説ぽいタイトルが作者の皮肉ともとれる、中味は真っ黒なモダンホラー。カバーには「パルプ・ノワール」と銘打ってあるけれど、パルプ・ノワール風味のホラー小説と取ったほうがよいでしょう。独房で自殺したレイプ犯の少年の仇をとるため、被害者の女教師を追いつめる仲間の不良少年たち。彼らが次々と起こすレイプ、略奪、殺人を軸に、レイプされた女教師とその夫の魂の救済が語られるのだけど、若書きの作品だけに、前半の基礎固めがもたついた感じがして、正直読むのがちょっときつかった。後半はスピードが乗ってきて、最後に生き残るのは誰?ってなラストまでは一気に読めたんですけどね。コアなランズデール・ファン向けの作品かもしれないが、ここからハップ&レナード・シリーズや後のボトムズダークラインにつながっていく作品として考えればそれなりに興味深いのかも。


テキサス・ナイトランナーズ (文春文庫)