ゴールデンウィーク初日

 ゴールデンウィーク中の読書といっても、いつもと同じ傾向。新刊は漫画だけになり、他はブック○フの105円コーナーで拾ってきたものばかり。その中からここ数日は斎藤美奈子「紅一点論」(ちくま文庫)を読んだ。「妊娠小説」の方法と同じく、アニメ・特撮・伝記のヒロイン像を、「魔法少女」「紅の戦士」「悪の女王」などと強引に類型化し、その変遷をたどりつつ、男社会の組織と対比してみせた評論。意地悪な書き方がじつにいい。もう一冊、草薙聡志「アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?」(徳間書店)は斜め読み。最近、漫画関係ばかりの本ばかり読んでるような気がするが、仕事にまったく関係ないところが残念。


紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫)


 漫画新刊では、真鍋昌平闇金ウシジマくん」(11巻・ビッグコミックス)。板橋が親友の小堀をハメるにいたるこの巻は、崩壊の前日のような静かな展開。それがかえって恐ろしい。


闇金ウシジマくん (11) (ビッグコミックス)


 続いて、発行されただけで我が事のように嬉しい青野春秋「俺はまだ本気出してないだけ」(2巻・IKKI COMIX)。第3巻の発売予告が巻末にあったのでさらに安心。まだ出してくださるんですね!


俺はまだ本気出してないだけ 2 (IKKI COMICS)


 山岸凉子舞姫 テレプシコーラ」(1〜10巻・メディアファクトリー)は読みたいなぁと思っていたのを、Sん川の古本屋でまとめて購入。1冊250円で帯付き美本というのがありがたい(あとで売るから)。いやぁ、これは面白かったです。優等生でバレエの才に恵まれた姉の千花(ちか)。千花とともにバレエを習ってきたものの、おっとりした性格が災いし、才能を開花させきれない妹の六花(ゆき)。そして六花の同級生で、醜悪な容姿ながら天才バレリーナといわれた祖母の英才教育を受けた空美(くみ)。この3人を軸に物語は展開し、バレエ業界の裏表、いじめなど子供同士の問題、親子の関係などが描かれるわけですが、最後の10巻に至ってアッという結末が待っているんですね。この巻のために1〜9巻があったのかというぐらいの。本作はこれで第1部が終了ということで、第2部は「ダ・ヴィンチ」本誌で連載中。図書館に続きを読みにいくべきか、コミックスの発売を待つべきか、うーん、悩ましい。


舞姫 10―テレプシコーラ (MFコミックス)


 森恒二ホーリーランド」(17巻・ジェッツコミックス)は、下北戦争も大詰め。次巻(今秋発行予定)でいよいよ最終巻とのこと。あらかた結末は見えてるが、ここまでつきあってきた以上、読まずばなるまい。


ホーリーランド 17 (ジェッツコミックス)