引きこもりウィーク
普段から引きこもりなのに、連休ということでさらに引きこもり三昧。昨日、そろそろ手を付けなければならない仕事の打ち合わせがあったばかりなのに、仕事はさっぱり進みません。
第2回本屋大賞。ようやく読みました。80キロをただ歩くだけの小説が面白いの? なんて思ってましたが、すっかり作者の術中にはまった感じ。歩行の速度とともに、異母兄妹という秘密を抱える2人の高校生が次第に心を開いていくという展開がリーダビリティーを高めている重要な要素になっています。散歩しながらの考え事は誰でもやること。そんな緩やかなスピードにのせられて、二人の過去、現在、クラスメイトとの恋愛などが織り交ぜられながら物語は進んでく。父の不倫でできた妹と、そのことを憎んでいる兄。さらに間の悪いことに二人は同級生。人には知られたくないゆえに、同じクラスながら口をきいたこともない二人が、どうやったら話すことができるようになるのか。最後の一歩を二人がどうやって踏み出すのかが小説のクライマックス。
↓映画化されたけど、ヒロイン貴子を演じているのは多部未華子。好きだなぁ。
財閥企業会長の娘婿という逆玉の輿にのった平凡な男、杉村三郎を主人公とする「誰か」の続編。前作よりもさらにヘタレになったような印象で、作者はもはや超人的な探偵キャラの造形に興味を失ったような気がするのは俺だけ? いや、本作も悪くないんですよ。後味が悪いのはここ最近の宮部さんの小説と同じ傾向ながら、何か、現代ミステリーを書く上での困難さに直面しているような気がして仕方がない。
・福満しげゆき「うちの妻ってどうでしょう?」1巻・アクションコミックス
「僕の小規模な生活」(モーニングKC)で描かれた漫画家の営みをさらに狭くして、奥さんとのエピソードを中心に据えた「妻もの」漫画。感想は不要。この作者の新作が読めるだけでいいです。
・Ninjya Scroll(「獣兵衛忍風帖」)
Veohでたまたま見つけて鑑賞。出だしからしてもう傑作の予感がひしひし。結末にいたるまで息つく間もない展開に圧倒されました。いやぁ、これは忍者ものが好きな人には必見の作品ですよ! 山田風太郎作品のアニメ化ではないけど、風太郎忍法帖の最大要素である、奇想天外な忍術、忍者同士のトーナメント戦、スピーディーな展開、エロ、虚無的な思想などが満載。調べてみたら、米国では「AKIRA」「甲殻機動隊」と並ぶ人気作品とのこと。道理でね。