岩本ナオ2冊目

「雨無村〜」ですっかり気に入ってしまった岩本ナオ。続いて、彼女の単行本2作目になる「Yesterday,yes a day」を読む。村に帰ってきた幼なじみの多喜二と小麦の距離が少しずつ縮まっていくさまを描いた作品。勉強以外はてんで不器用な、クワガタに桃の蜜を吸わせてぼんやりしているような多喜二。一方、多喜二の恋心に気づかず、傷つける言葉や態度をとってしまう小麦。このマンガの面白さを言葉にするのは非常に難しい。丁寧な描写の積み重ねによって生まれてくる人間関係の微妙なひだ、空気、土地の感覚など、とにかく読んでみてくださいというしかないような力作。ちなみに、舞台が雨無村というのも嬉しいところ。