町でうわさの天狗の子

 もー、岩本ナオ、最高っすよ。「町でうわさの天狗の子」第1巻から最新の第3巻までを読んだけど、この不思議感覚はどう言ったらいいのやら。主人公の高校生・秋姫は、天狗と人間の間に生まれた女の子。町の人もそのことを皆知っており、それが当たり前に受け入れられているという土地で育った。ちょっぴり大食いで怪力なのが普通の子と違うところだけれど(側溝にはまったトラックをひょいと持ち上げたり、体育館の鉄扉をはずしたり)、普段はどちらかというとぼんくらの類に入る女の子である。その秋姫が同じくぼんくらだけどイケメンのタケル君に恋をするのだが、タケルには浅からぬ因縁があった……。脇を固める、天狗になる修行中の幼なじみの瞬、人語をしゃべる眷属のキツネ、タヌキ、ウサギ、イノシシに加え、奇天烈な髪型で漢(おとこ)ぽいクラスメートなど、まわりもユニークな面々が勢揃い。やさしく、楽しい不思議な世界を作り出している。続きが早く読みたいなぁ。