女子バレーボール漫画

 お盆が終わり、さぁて仕事にでも取りかかるかと思ったものの、このところ休んでいたせいでボケが治らず、暑さも加わって気力が起きない。まず手に取ったのは、日本橋ヨヲコの新作「少女ファイト」(イブニングKC)という体たらく。俺のほうはまったく情けない限りですが、この女子バレーボールを主題にした漫画はイイ!ですよ。
 小学校時代、狂犬とあだ名されていた主人公・大石練(おおいし・ねり)は全国大会での準優勝後、名門の私立白雲山学園中等部に進学する。しかし、高校バレーの名選手だった姉の事故死に、小学校時代のチームメイトの裏切りというトラウマを抱えていた練は、中学進学後は実力をひた隠し、部では目立たない存在であろうと努めていた。三年生になっても万年補欠で球拾いのポジションに甘んじていたのである。そんな練に転機が訪れる。練習中、誤ってチームメイト・千代の指を傷つけた練は、その替わりとして飴屋中学との練習試合に出場する。久しぶりの試合に我を忘れた練は、実力の片鱗を見せながらも、白雲山の花形選手でレフトの小雪接触小雪に怪我を負わせたばかりか、幼なじみの整骨院の息子・シゲルと男子トイレで一緒にいるところを監督に見つかってしまう。バレー部を退部になってしまった練の前に現れたのは、かつての姉のチームメイトで、私立黒曜谷高校の女子バレー部監督を務める陣内笛子。姉の事故死の責任の一端が陣内にあると思っていた練だったが、バレーを続けるためには黒曜谷高校に進学するしかなかった。が、その黒曜谷高校女子バレー部は、部員三人の試合にも出られない弱小チームだった……。
 プロローグにまるまる一巻を当てていますが、早くも次に期待を抱かせる見事な展開。久しぶりに本誌で続きを読んでみたいと思わせる力作ですね。日本橋ヨヲコのネームがまたいいんです。


少女ファイト(1) (KCデラックス)


■売れた本・CD
美輪明宏「紫の履歴書」(角川文庫) 1,710円
岡崎武志「古本生活読本」(ちくま文庫) 150円
梶山季之「ミスターエロチスト」(徳間文庫) 150円
ディック他「ホラーSF傑作選 影が行く」(創元SF文庫) 150円
ロキシーミュージック「COUNTRY LIFE」 800円