SAMURAI 7

 最近、読む漫画が青年誌で活躍する女性作家ばかりになっていますが、男くさいのをひとつ。現在、NHK総合で深夜放送中らしいですが、黒澤明七人の侍」を原作にしたアニメ「SAMURAI 7サムライ7)」がおもしろいですね。といっても俺の場合は、You Tubeで鑑賞しているわけですが。便利な時代になったというか、貧乏人にはありがたいことです(著作権のことは目をつぶる)。
 舞台は文明の後退した未来。コメを搾取する野伏せりから村を守るため、侍を雇い入れることを決めたカンナ村は、巫女のキララとコマチ姉妹、若者のリキチを砂漠の向こうの街まで向かわせる。ここでの侍探しは原作のままで、侍を村に連れ帰ってからの戦への備え、菊千代が元農民であったことや雨中での戦闘シーンなどももちろん原作通り。違うのは、野伏せりが機械化されたマンマシーンであること。戦争が行き着いた末、文字通り自らを機械にしちゃったんですね。対する侍は生身の人間で、刀でズバズバと機械の野伏せりをぶった斬っていくところがアクションとしては見所なわけです。もう、何十メートルもある巨大なロボットを刀でスパスパ斬っていくのですから、侍、強ぇーっ、てなもの。登場人物も勘兵衛、五郎兵衛、七郎次、平八、久蔵、勝四郎、菊千代をカタカナ表記にしただけでまんま同じ。ただ一つ違うのは、キクチヨが機械の体であることのみ(まあ、他の侍にも細かい差異はありますが)。原作は村から野伏せりを追い払うまでですが、このアニメではその後、野伏せりをも支配していた都の支配階級に侍たちが戦いを挑むところが描かれます。ここからはオリジナルの展開ですね。
 それにしても、アニメでの人気キャラも、原作と同じく久蔵(キュウゾウ)がナンバーワンであるとか(パッケージ写真参照)。サムライ7のキュウゾウも、寡黙な剣の達人。新選組でも斎藤一がそうであるように、日本人はこうしたヒーローが好きみたいですね。よく引き合いに出されますが、国別に見た「七人の侍」の人気投票というものがあり、アメリカ人(勘兵衛)、フランス人(久蔵)、イタリア人(菊千代)なんだそうです。


SAMURAI 7 第5巻 (初回限定版) [DVD]


■売れた本
ジョン・スラデック「見えないグリーン」(ハヤカワ文庫) 100円