減点主義・加点主義

 朝起きると、声がかすれて出ない。酒で風をこじらせたか。まぁ、誰と話すわけでもなし。不便ではないが、気持ちが悪い。午後、銀行での用事を済ませ、Tヶ丘の古本屋で「河村要助vs湯村輝彦」(にっぽんのえ・小学館)を900円で。別の店で、高見順「都に夜のある如く」(文春文庫)200円。帰宅すると、楳図かずおの「別世界」発刊記念ポスター着。いやぁ、意外とちっちゃいですね。でも、楳図のポスターは何であれ貴重品。「河村要助vs湯村輝彦」のビニール封を開けると、湯村輝彦のサイン入りでした。ラッキー。夜、映画「ALLWAYS 三丁目の夕日」。木村伊兵衛のスナップショットのような書割から始まり、大人の恋の物語あり、少年の冒険談あり、少女の上京物語あり、家族のホームコメディありのファンタジー。多くの観客が涙したと同様、拙者も後半、涙が止まらず。素直によい映画だと思いました。いつものように、アマゾンなどのレビューを評価の低い順に読むと、嫌いな人はやはりいるもので、昭和30年代はこんなんじゃない! リアルさが足らん! 泣かせに走るな! 寅さんで勉強しろ! などの辛い意見が。いつも読みながら思うのだが、こうした評論家気取りのマイナス志向はどうなんでしょう? 拙者、会社での減点主義に嫌気がさして以来、人生何事も加点主義を貫こうと思い至って今日まで生きてきた次第。自分の趣味や好き嫌いだけで批評をはじめちゃあいけませんよね、と自戒の念を込めつつ。


ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]