眠れぬ夜に読書
古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」(文藝春秋)を寝る前に読み始めるが、目がさえてしまい、結局読了。発売当初から気にはなっていたのだけど、これも近所の図書館でようやく借りたもの。恥ずかしながら古川日出男はこれが最初の一冊。変幻自在の文体について言及されることの多い著者だが、読んで納得。好き嫌いはあるかもしれないが、ここまで好き勝手にやれば却って爽快。それよりもこの物語は、アリューシャン列島から始まって、アメリカ、ハワイ、米領サモア、朝鮮半島、ベトナムと地球上の点と点がつながり、冒頭のロシアにつながっていくさまが圧巻。登場人物では、麻薬組織のボスとルチャドールという二つの顔を持つ怪犬仮面が好きだなぁ。