初・六本木再開発地区

 朝起きたら雪。静かでいいなと思う反面、寒さがたまらん。今日は一日大人しく仕事をしなさい、という戒めですな。先週は打ち合わせなどで原宿、六本木、新宿をまわったのだが、久しぶりの六本木で、初めて六本木ヒルズ東京ミッドタウンなどを見る。つくづく遅れてるオヤジだな。打ち合わせ場所は泉ガーデンタワーにある会社だったのだけど、エレベーターがでかいうえに(75人乗り)、途中階(24階)までシースルーなんですよ。高所恐怖症の俺には恐かったよー。しかし、30階以上からの眺望は素晴らしいの一言。しばらく見入っていたが、ここらへんの高層ビルの住人には、死ぬまで働かなくていい人もいるんだな(ホリエモンとか)と妙に醒めた気分になる。自慢じゃないけど、こっちは死ぬまで働かなきゃならないんだよ。そんなこんなで、久しぶりの外出はいい気分転換になりました。
 さて、この一週間は小説を読む余裕がなくなってきたので、漫画が中心。そのなかで唯一の小説が、三浦しをんまほろ駅前多田便利軒」(文芸春秋)。都下のまほろ市で便利屋を営む30代半ばの多田のところに、高校の同級生・行天が転がり込んでくる。何も事情を話さない行天は自然と多田のパートナーとなり、ヘルス嬢の用心棒をしたり、小学生の塾を送り迎えたり、ヤクザに追われたりと、意外とハードボイルドな毎日を過ごす。そのうち、行天の過去がわかり、多田の抱えた元妻との触れられたくない傷が明らかになる……。直木賞受賞作だが、とくにこれで受賞する必然はなかったのでは。。。男たちの過去がわかるくだりも意外性はないので、途中のやりとりを楽しめばよい作品。それよりも、男2人を主要人物にそなえた時点で、三浦しをんの好みの「やおい」「BL」趣味をハードボイルド小説風に味付けしたらどうなるか、という実験的な側面をおもしろがりたい。


まほろ駅前多田便利軒


 以下は、コミックス。真鍋昌平闇金ウシジマくん」第10巻(ビッグコミックス)。サラリーマンくん編が始まっているが、相変わらず救いのない世界に暗澹とさせられる。だからこそ、最近の漫画のなかでは一番おもしろいのだが。


闇金ウシジマくん (10) (ビッグコミックス)


 鬼頭莫宏「ぼくらの」(IKKICOMIX)も第8巻。ジアースのパイロットになる子供たちも、残るところ5人。第8巻では、往住愛子、吉川寛治の2人が犠牲となり、次巻では、宇白兄妹、町洋子の3人を残すのみとなった。結末が近づいているけれど、どんなラストを用意してるんだろう。ジョージ秋山「ザ・ムーン」の結末は報われない悲しいものだったが。


ぼくらの 8 (IKKI COMIX)


 SABE「世界の孫」(アフタヌーンKC)は、たまたまブック○フにあったのを購入。が、これは失敗でした。やろうとするギャグはわかるんだけど、いまいちのれず。波長の合う人のみ対象。


世界の孫(1) (アフタヌーンKC)世界の孫(2) (アフタヌーンKC)


 中島守男「吉田家のちすじ」(アフタヌーンKC)。こちらは、くじでいえば、中吉といったところ。男4人の家にむちむちの後妻が入ってきて、祖父から中学生の息子までが、新しいお母さんに地味なセクハラを繰り返すという作品。むっつりスケベというのが吉田家の血筋で、セクハラしようとして皆、同じ失敗で痛めつけられるというのがオチのお約束になっている。大きな声では言えないけれど、むちむち妻、俺も好きです。


吉田家のちすじ(1) (アフタヌーンKC)