休憩時間ならぬ球形時間

 忙しいときに限っていろんなことが舞い込むもの。昔に出した本の内容問い合わせ、次の取材に関するレジュメの作成、知り合いからの長電話などなど。緊張がそがれ、ふたたび仕事モードに切り替えるのも一苦労です。
 そんななか、最近の就寝前読書は多和田葉子「球形時間」新潮社。多和田作品は「犬婿入り」以来2冊めという不勉強な読者でありますが、文体のリズム、密度に引き込まれ2日で読了。ラストのモダンホラーないしは幻想小説風展開にはちょっとドキリとさせられた。本書には主人公である女子高生サヤの前に、英国人旅行家イザベラ・バードが時空を超えて現れるのだが、バードの著書「日本奥地紀行」こそ、読もう読もうと思ってそのままになっている本。あぁ、早く本浸けになれる時間がほしいよぉ。


球形時間