わたしを離さないで

 電車の中で読んでるたびにジンとしてしまっていた、カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」(早川書房)をようやく読み終える。臓器提供をするためにクローンで生み出された子供たちが育つ施設、ヘールシャム。施設での生活、友人たちのその後、自分たちは何者なのかという問いかけが大人になった主人公キャシーの一人称で謎解きのように語られていく。淡々とした筆致なんだけど、それだけに会話文の上手さが際立つんだよなぁ。どうしてこんな台詞が出てくるんでしょう。


わたしを離さないで