感想あれこれ

 週末は私用でふたたびヘトヘト。今日は、K川グループのA藤君、息子と、2人続けての訪問。次の仕事の締め切りがいよいよ迫ってきたというのに、心が落ち着かない。夜、ジョー・R・ランズデール「人にはススメられない仕事」(角川文庫)読了。中年の貧乏白人ハップ・コリンズと、その親友でゲイの黒人レナード・パインのコンビもの第4弾。このシリーズはハズレなしなんだけど、この巻も面白い。ハップの恋人ブレットの娘が売春婦として働かされ、行方不明に。それを救出に行くハップとレナード。売春組織、バイカーのギャング団を相手にいつにもまして大暴れの2人。このシリーズが読者(とくに俺)にフィットするのは、ハップが40過ぎの中年男で、無職、気弱、くよくよする性格で、社会的な格差をいかんともしがたい境遇にあるというところ。彼の愚痴を聞いていると、なんだか親近感が湧くんだよなぁ。もう1つ、ジョー・R・ランズデールの小説を濃密にしているのは、豊かな米国南部の動植物相。馬、牛、山羊、豚などの家畜から、ガラガラヘビ、アルマジロ、でかい蠅まで、たくさんの生き物がうごめいていることだろう。日本では家畜のいる風景さえ、限られているからなぁ。せいぜい、猫などペットのことを描くしかできません。


人にはススメられない仕事 (角川文庫)

人にはススメられない仕事 (角川文庫)


 以下は、このところ読んだり見たりしたものから、書き忘れていたもの。

陸奥A子「ハーパーの秘密」(ヤングユーコミックス)

 少女マンガ時代、夢見る少女のロマンチックな思いを描いていた陸奥A子の、これは大人を対象にした作品。「夢見がち」という点では過去の作品の延長上にはあるけれど、日常起きる事件とは、ちょっぴりの驚きを含んだ出会いとか、恋の進展とかいうもの。地に足がついたというか、これが普通の若い女性の願望だろうなぁというところで、誰もが安心して読める作品になっている。嫌みがなく、好感の持てる世界といえばいえます。



くらもちふさこ「Kiss+πr2」(マーガレットコミックス)

 くらもちふさこの作品の特徴といえば、主人公、そして周囲のキャラクターが微妙にエキセントリックな性格づけをされているところだろう。この作品は珍しく、男子高校生が主人公。2人の女の子から言い寄られている設定での、男の子の心の揺らぎが読みどころ。この辺は少年誌にはない魅力ですね。



・大忍術映画ワタリ

 まだ小学校に上がる頃か、入学したばかりの頃に見た映画。同時上映のサイボーグ009とともに、俺が初めて映画館で見た映画であります。懐かしさが先に立って見たものの、うーん、正直微妙。こんな特撮や役者の演技で喜んでたのかと思うと、ほんとにのんびりした時代だったんだなぁ。


大忍術映画 ワタリ【劇場版】 [DVD]

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COWBOY BEBOP 天国の扉

COWBOY BEBOP」のファンには文句なしに楽しめる。2時間もあっという間。堪能しました。


COWBOY BEBOP 天国の扉 [DVD]

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鬼頭莫宏「ぼくらの」(9巻・IKKICOMIX)

 いよいよ、ストーリーは最終場面。生き残りは2人の少年少女に。次の巻は早く出してほしいぞ。


ぼくらの 9 (IKKI COMIX)

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阿久悠和田誠「A面B面ー作詞・レコード・日本人」(ちくま文庫

 阿久悠が語る自作の裏舞台。が、それ以上に歌謡史のパースペクティブが自然にわかる好著。ピンクレディーで作った、何でもありの荒唐無稽な世界観、もっと広げてほしかったです。