不況がひたひたと

 最近になって知人その他から人員整理の話を伝え聞くようになり、本当に不況なんだなと実感する。俺など自分自身で自分を整理しちゃったようなところがあるので、別の面でしんどいことはいろいろあるのだが、実際、仕事がなくなるというのは不安なことだと思う。学生時代の一時期なら一生遊んで暮らしたいと思ったことはあるけど、そんなことは不可能だとすぐに気がつく。結局は食べるために働かざるをえないのだが、そこのところで折り合いをつけるのが下手な人がどんどん社会からこぼれていってしまうのではなかろうか。身過ぎ世過ぎで格好よく世間を渡っていければいいんだろうけどね。(ため息)
 そんなことを考えつつ読んだ本が三浦しをん「妄想炸裂」(新書館ウィングス文庫)というのがわれながら情けない。いや、三浦さんのエッセイは面白いんですよ。この本を電車の行き帰りで読んでいる俺が、イカしていないと思うのです。




 お次はドナルド・E・ウェストレイク「バッド・ニュース」(ハヤカワ・ミステリ文庫)。昨年末(12月31日)に没したウェストレイクのドートマンダー・シリーズ第10作目。彼の翻訳作品ほぼすべてを読んでいる身としてはちと寂しいですが、本作の出来は決して良くはない。スピード感に欠け、ドタバタもいまいち乗り切れてない。でも、シリーズの続きが読めるだけでファンとしては幸せなんです。