黒くぬれ

 あっという間に3月が終わる! 書籍の入稿もまだ! 3本ある原稿のフィニッシュもまだ! 何ひとつ進んでません! 関係ないけど、TBSラジオのストリームが終わったよー! 泣! 涙!

「小川町さん、依然ブログが更新されてませんねぇ」と仕事先のN君から冷笑されてから早3週間。若者に手本を示すべき大人がこれじゃぁ、いくらなんでもマズいので今日はがんばって書きます! といっても、読んだ漫画の紹介なのだから情けない……。

 今月は俺ともあろうものが、仕事優先で漫画読みはあと回しにしているので、読了した漫画はごくわずか。漫画が積読になるとは思いませんでしたよ。その数少ない読了本のうち、今月はやっぱりこれでしょう、というのが、約1年半ぶりに出た岩明均ヒストリエ」(第5巻・アフタヌーンKC)。主人公エウメネスが若き日のアレクサンドロス大王と邂逅するところで続きは次巻へ。あー、またこれで1〜2年は待たされるのか。せめて井上雄彦「リアル」のように1年1冊だったらいいのになぁ。




 続いてこちらは発行ペースが早い(3〜4ヵ月に1巻!)、末次由紀百人一首漫画「ちはやふる」(講談社コミックスビーラブ)の第4巻。主人公・千早は早くも全国大会出場! というスピーディーな展開。未来のかるたクィーン候補を争う(らしき)ライバルの出現があったりして、意外と終巻は早いかも。珍しい題材でおもしろい作品なので、もっと話題になってほしいなぁ。




 次もおなじく少女漫画から、山岸涼子テレプシコーラ舞姫」(第2部2巻・メディアファクトリー)。この漫画によって、バレエの面白さに目覚めた俺ですが、この漫画の面白さは、主人公・篠原六花(ゆか)のかわいらしいキャラクターの魅力プラス、幼児からシビアな環境に置かれているダンサーの世界がよくわかる構成の妙にありますね。連載されている「ダ・ヴィンチ」も図書館へ行った折は必ずチェックするようにしいています。




 発売されたばかりの野村宗弘とろける鉄工所」(第2巻・イブニングKC)は、この巻で確実に世界を構築したようで、どのストーリーも安心して読めるおもしろさ。この不況の世の中で、なんとなく幸せな空気が作品に流れていることはよしとしたいですね。また、意外と女性キャラがかわいいのがマルっていうか、漫画家として非常に大事な技量の1つ。今後も期待。




 という感じで、小説、評論の類は1冊もなし。あとは音楽をひたすら流しているだけですが、フレンチ・ポップス熱は継続中。とくにここ数週間ハマっているのがマリー・ラフォレ。映画「太陽がいっぱい」で女優としてのほうが有名でしょうが、もともと歌手志望だったそうで、フランス本国では多くのレコードを出しております。残念ながら日本国内盤CDは壊滅状態で、自分がもっぱらかけているのはフランスのMusidiscというレーベルの「Les vendanges de l'amour」「Manchester et Liverpool」「La voix du silence」という3枚のベスト盤シリーズ(全72曲を収録)。まぁ、なぜ俺がこの女性(ひと)に惹かれたかといえば、次のローリング・ストーンズの「黒くぬれ」のカバー、「Marie Douceur,Marie Colere(邦題:優しいマリー、怒れるマリー)」を聴いていただければわかります。ミック・ジャガー以上に情念的、かつパンク。